雪は高校三年生で同級生で幼なじみの和泉と一緒にアイドルデビューした日から、芸能活動だけに力を入れてきた。 色恋沙汰なんてのはもってのほか。夜中に飲んでおんな口説いてワンナイト、なんて和泉のようなことはしない。 しかし最近入ったバイトの春留くん。 雑誌の撮影現場で初めてあった時、まるで雷が落ちたような衝撃を受けた。 澄んだ琥珀の瞳に絹のようにきめ細かい肌。 なんて美少年が現れたのかと腰が抜けそうだった。 撮影中でもあちこちと忙しなく動き回る春留のことをつい目で追ってしまう。 カメラに集中できずにいると、カメラマンがおどけたように言う。 「雪くん今日ぼーっとしてるよね？大丈夫？もしかして恋煩いとか！？」 雪くんもそろそろそう言う事があっても僕はいいと思うよ、なんて言って親指を立てるカメラマンを見て何かが腑に落ちたのだ。 そうだ、オレ、春留くんが好きなのか！