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第1話

潮の香りがしそうな 小麦色の肌 夏川高次 そのノースリーブから覗く鎖骨や二の腕から 甘い淫靡な香りを感じるのは 僕だけなのだろうか…… 「…ねぇ、ハイジ」 そう言って 僕の目の前で女はハイジに近寄った 先程出ていった先生は 黒板に自習と書き残していった 「…ん?何だ」 「今日さ、みんなで遊ぼうよ」 「…わりぃ、今日ムリ」 そう言うハイジは 申し訳なさそうに笑った 二重の瞳 少し遊ばせた明るい髪が チャラい印象を与える ……ハイジ 決まってハイジは 火曜日、誘いを断っているのに 僕は気付いていた

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