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第5話
…はぁ…はぁ…
走ったからだけじゃない
学校を出てからずっと
つけている間中
僕は緊張していた
胸の高鳴りが加わり
心臓が破裂しそうだった
「…君」
背後に気配を感じると共に
低い声が頭上から聞こえた
「大丈夫か?」
心臓がまだ暴れる中
僕は顔を上げた
そこには
高級そうなスーツ姿で
淫香が漂う雰囲気の大人の男性がいた
「……あ、…はい…」
息を切らせながら答えると
男性は僕に手を差し延べてきた
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