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ゴミ出しも悪くない
最近俺はゴミ出しを自分から申し出る。
「あんた、何か企んでる?」
「は?べ、別にぃ…。」
「小遣いは上げねーぞ。」
「そんなんじゃねーよ。」
「じゃあ狙ってる人妻でもいんのか?」
「いたらどうする?」
「俺に紹介しr「お父さん!」
親父の言うことはあながち間違ってはいない。
人妻、ではないけど。子持ち、だけど。
ガチャッ
俺がドアを開けて、廊下を歩くと、バタバタと音がする。
可愛らしい足音と、それを追いかける優しい足音。
「とーと!」
「おわっ!」
「まーちゃん!走らないで!」
朝からモンスターに困らされている愛しい人。
俺は顔がだらしなく緩まないように表情筋を締める。
「おはよう、拓海さん。」
「あ……おはよう……智裕くん。」
その一言を交わすために。
そして、エレベーターの扉が開いて、はしゃぐ茉莉ちゃんの目を盗んで。
チュッ
真っ赤になる可愛い君を見るために。
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