2 / 11

ゴミ出しも悪くない

最近俺はゴミ出しを自分から申し出る。 「あんた、何か企んでる?」 「は?べ、別にぃ…。」 「小遣いは上げねーぞ。」 「そんなんじゃねーよ。」 「じゃあ狙ってる人妻でもいんのか?」 「いたらどうする?」 「俺に紹介しr「お父さん!」 親父の言うことはあながち間違ってはいない。 人妻、ではないけど。子持ち、だけど。 ガチャッ 俺がドアを開けて、廊下を歩くと、バタバタと音がする。 可愛らしい足音と、それを追いかける優しい足音。 「とーと!」 「おわっ!」 「まーちゃん!走らないで!」 朝からモンスターに困らされている愛しい人。 俺は顔がだらしなく緩まないように表情筋を締める。 「おはよう、拓海さん。」 「あ……おはよう……智裕くん。」 その一言を交わすために。 そして、エレベーターの扉が開いて、はしゃぐ茉莉ちゃんの目を盗んで。 チュッ 真っ赤になる可愛い君を見るために。

ともだちにシェアしよう!