29 / 32
新入生歓迎会3
鳴川さんと別れて間もなく
ヒューという大きな音が鳴り響き
その音を辿っていくと
6文字の花火が青空に広がった。
「しっぽとり?」
ポツリと溢したその言葉は
地面を揺らすような歓声に掻き消された。
どうやら、チーム発表が始まるようだった。
チームは、大まかに2つに分かれて
そこからまたいくつものグループに分かれるというもので
赤グループ代表
『生徒会長、唯賀駿』
白グループ代表
『風紀委員長、坂田帝』
その発表に呼応するかのように
歓声やら雄叫びやらが飛び交う。
「はーい、落ち着いてくださいね。」
それを諌めるように
校長の声がマイク越しに響き渡り
続けて、校長の説明が始まった。
「これから、ルールを説明します。特別なルールは諸々あるけど、ルールは至って簡単、しっぽを取られたら負け。
負けた人は、体育館前の牢屋に戻ってきて下さいね。あ!後、両チームにはやぐらっていう建物が用意されているからうまく使ってね~。
それじゃあ、ピストルは二度鳴らします。一度目のピストルを鳴らした5分後に再度、ピストルが鳴った時、ゲームは開始されるからね。
それまでに散らばってね〜。もう一度、始まりの合図を送るから。あ、言うの忘れてたけど、校長も参加するから先生たちも参加ね。じゃあ。」
先生たちの
は?と言う様な困惑の声を
無視したまま、校長は
青空に銃口をかまえ
_____パァンッ
「生き残りをかけて頑張ってね?」
その合図の音と同時に生徒たちが一斉に散らばりだして、先生たちも思い出したかのように、各々に散らばっていった。
「フフフッ、さぁ、ゲームの始まりだ。裏切り裏切られるゲームの。今年は、何十人が脱落するかなぁ。はたまた、それ以上か。フォッフォッフォッ、ごほぉっ!!ゴホッ、ゴホッ、ちょっど待っでむせた、これしぬしぬ。ゴホッゴボっ!!」
むせて死にそうななか
校長が再度、引き金を引いたことは誰も知ることはなかった。
ともだちにシェアしよう!