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「代償」5
スマホをハンズフリーの状態で枕元に置き、掛け布団を首元まで引き上げる。一定間隔で鳴り続ける呼び出し音に、僕は耳を傾けた。
部屋に鳴り響く呼び出し音のやたら長い様子に、まさか約束をすっぽかされたと不安を覚え
かけていた時。やっと『佐渡か』と低い声音が聞こえてきた。
「うん。終わったよ」
出てくれたことに僕はホッと胸を撫で下ろす。明日は学校で、寝れないままだと授業に差し障ってしまうかもしれなかった。
『そうか。どうだったんだ?』
「今日は心霊よりも、UFOとかUMAが多かったかな」
『それなら、少し物足りなかったんじゃないのか?』
「ううん。逆に寝不足にならずに済みそうで良かったよ」
UFOやUMAよりも心霊系の方が格段に怖さが違う。ふいに現れ、消え去っていく。時には物凄いスピードで追っかけてきたり、何かの痕跡を残したり……何よりも身近に感じる存在だ。
『なら今日はちゃんと寝れそうか?』
「うん。今日は大丈夫。いつもありがとう」
『別にいい。俺が言い出した事だから』
淡々とした口調の泰明に、僕はもう一度感謝を伝える。
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