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「正真」7
「パズル好きなんだね」
僕はそう言って部屋の隅に寄せられていた椅子を持ってくると、神近くんの机の向かい側に腰を下ろす。
「好きじゃなきゃ、やらないですから」
「僕も手伝っていい?」
姉が来るまでにはまだ時間がかかるだろう。なんてったって、彼氏に会うのだからそれなりにお洒落してくるはずだ。少しぐらいだったら、構いやしないだろう。
「当たり前じゃないですか。部員なんですから」
その言葉に僕はハッとして、神近くんを見つめる。神近くんは相変わらず、憮然とした表情をしてピースを繋げていた。部員として見てくれている嬉しさの反面、断りに来たのだという心苦しさも込み上げきてしまう。
どうするべきか悩んでいると、再びスマホが震えだす。画面を見ると、先程と同じ『姉』という表示に、僕は慌てて立ち上がった。
窓の外を見ると、校門に立っている女性の姿が目にとまる。苛立たしげに腕を組んでいる姿からして、明らかに姉だろう。
こんなに早く来るとは思ってもなく、僕は神近くんに「やばい。ねえちゃん来たから行ってくる!」と言い残し、慌てて部屋を飛び出した。
階段を全速力で駆け下り下駄箱で靴を履き替えると、僕は駆け足のまま校門の前で待つ姉に駆け寄る。
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