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「嫉妬」2

「お姉さんにちゃんと言ったんですよね?」  神近くんが立ち上がって、教室の入口に座り込んでいる僕に近づく。 「……うん。ちゃんと事実確認するって……」 「その事実確認の仕方に、問題があったとかないですよね?」  神近くんに言われて僕はハッとして、青ざめているであろう顔で見上げる。  そういえばついこの間、姉が僕の部屋にノックもせずに入ってくるなり、僕に激しく八つ当たりしてきたのだ。  姉の話をまとめると、僕の話を聞いた姉は早速、彼氏を問い詰めたらしい。  普通なら周囲から情報収集するなどして証拠を集めてから、本人に問い詰めるのが一般的なやり方だ。そうすることで、相手も言い逃れが出来なくなる可能性が高くなる。でも姉はそういうまどろっこしい事嫌う性格で、いつでも直球勝負だ。  最初こそは「弟が変なこと言ってて――」など言って優しく問いただし、はぐらかしたり半端な回答をしたものなら、胸倉掴んででも詰問するだろう。  案の定、彼氏の視線が泳いだらしく、姉はすかさず執拗に問い詰めたらしい。その際に彼氏の口から、もしかしたら過去に一夜を明かして勘違いした女が、自分のストーカーになっていてソイツが怪しいと吐いた。  そこで姉は事実を確認すべく、女がストーカー行為に及んでいる時に必ず自分を呼び出すようにと告げたのだ。

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