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「はい、できた」 メイクが終わりかつらを被ると 女子が騒ぎ出した 「かわいー」 恥ずかしくなりうつむくさくらに 女子は女物の服を渡してきた 「こっちに着替えてみて 今着てるふざけた衣装より 絶対こっちの方がいいって」 それはピンクの可愛らしいワンピースだった 「…え…」 「いいから早く」 女子に背中を押される さくらは少し照れながら男子のいる所へ戻った 「…さくら?」 ナツオに見られて急に恥ずかしくなり さくらは俯いた その頬はさくら色に染まる 他の男子もさくらを見て一瞬時が止まった 「…ちょっと着替えさせて…」 何故か恥ずかしくて 男子に背を向け服を着替え始める 着ていた衣装を脱ぐと 男子の視線が気になってしまった しかしそれは気のせいなんかではなく 男とわかっていてもつい見てしまう男子が何人かいた その中にはナツオ そして 文化祭に非協力的で 化粧どころか衣装にも着替えていない男子 武下太一もその一人だった

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