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第1話

…ここか…。 巨大な鳥居の前。そこでその脚を止めた美青年、小島渉は鳥居の先にある寺院を見ながらその顔を綻ばせた。 数日前、「キャーッ」 「うわー」 「アハハッ」 数多くの人の姿がある遊園地。そこで渉は自分の恋人である男とデートしている。 「次はさーアレに乗らねー?」 その時、渉が指差した方向にあったジェットコースターを見た男は「エ…」と言いその顔をこわばらせた。 「…」 その時、恋人の男がしたリアクションに幻滅した渉は抱かれる側のゲイだった為その目を細めた。 …こいつも見かけ倒しの女男か。 「もういい」渉はそう言うと踵を返した。 それから渉は恋人の「エ…ちょっちょっと渉んっ」と言う言葉を背にその場を離れた。 ほどなくして恋人と別れた渉は暇つぶしが出来そうモノを探し始めた。 数分後、渉は宿坊と言う言葉を耳にしその首を傾げた。 しゅくぼうって何だろ?。 話し声が聞こえる。コーヒーのかぐわしい薫りが鼻を喜ばせる喫茶店内。そこで暇つぶしに使えそうなモノ探しをスマホでしていた渉はトイレにたった際、店内から聞こえて来た宿坊と言う言葉にその首を傾げた。 それからスマホを使い宿坊と言う言葉の意味を調べ始めた渉は宿坊と言う言葉の意味を知るや否やその目を輝かせた。 イイ暇つぶしになりそー。 数年前、大企業の社長である父親に社長の椅子を譲られた渉は経営力がなかった為お飾り社長になった。 それから悠々自適な生活をし始めた渉は様々な男と付き合い始めた。 「何だよっっテメー男一筋三十年のゲイじゃねーのかよっっ」 ある日、恋人の嘘に気付いた渉はそう言い溜め息をついた。 後日、恋人と別れた渉は後日、会い付き合い始めた恋人に「何だよっっテメー見かけ倒しの女男かっっ」と言い恋人と別れた。 それから中途半端な男やプレイボーイ、厚顔無恥な男や優柔不断な男と付き合っては別れると言う事を繰り返した渉は独身の男性経験がある男になり暇つぶし出来るモノ探しをし始めた。 同じ頃、広い日本庭園がある寺の境内で一人の僧侶がその口を開いた。

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