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第1話

怠惰心から成人なのに大人の階段を登らない。この物語の主人公、小白夜(しょうびゃくや)は日本人と台湾人の間に生まれたボンボン。見目麗しいが幼稚で自己中の白夜は喧嘩っ早い為、ある日親にボディーガードと行動を共にする事を強いられた。 「…うぜーっっ」 白夜とそのボディーガードがいる男子トイレの中。そこで白夜は用を足す時も自分のそばを離れないボディーガードに対して思った事を口にした。 儚げで非の打ち所がない美貌。白夜の淡色の瞳がある顔はボディーガードの男のそれとは対照的なモノで髪色は濃色。小柄で華奢な白夜のボディーガードは白夜とは正反対の美貌と体格の持ち主で瞳はグレー。髪色は濃色で用を足しながら自分を睨んでいる白夜を見る目はどこか冷たい。 「…お前さーよくこんな仕事すんな?」 「…」 「あっもしかしてカネに困ってんの?」 「…」 「オレ無職だからあんまカネ持ってねぇけど…多分ボンボンだからそこらのボンボンじゃない奴らよりカネ持ってると思うから、やろうか?オレの後つけるの止めてくれるって条件のむんならヤるぜ」 「…」 「…てめぇ、ちょっとは何か言えよっっ」 「…手」 「?は?」 「手ちゃんと洗え」 「…」 男子トイレの中にある洗面所。そこで雑に手を洗いその場を後にしようとしていた白夜を驚かせた男は無表情で白夜の手を掴むと洗面所に足を運び始めた。 それからブーブー言う白夜の手を半ば無理やり洗面所で洗い始めた男は十数年前、孤児院の中にいた。 ベッドや机、椅子といった家具がある室内。そこで寝息を立てている美少年、ハンクス青龍は不慮の事故で天涯孤独の身の上になった悲運の美少年。抱く側のゲイでもある青龍は数年後、宝くじで莫大な富を得その顔を綻ばせた。 「やった」 その時、ボディーガードになると言う夢を持っていた青龍は後日、夢を叶え数年後、ベテランボディーガードになった。 青龍と白夜の親がいる室内。そこで白夜の親に白夜の警護を依頼された青龍はボンボンの警護かーと思いながら解りましたと言い依頼を引き受けた。 それから白夜の親に白夜が住む部屋の鍵を渡された青龍は白夜がいるであろう場所を聞きその場を離れた。 数十分後、青龍はキャバクラの中にいた。 シャンデリアやソファがあるザキャバクラと言う言葉が浮かぶ室内。そこで青龍は「いらっしゃいませー」と言うキャバ嬢をよそ目に白夜を探している。 「?お客様?」その顔に訝しげな表情を浮かべ青龍に声をかけたキャバ嬢は刹那「俺はアイツの連れだ」と言う青龍の声を聞きその顔を綻ばせた。 「そうですかぁ」 それから青龍は白夜やキャバ孃がいる席に足を運び白夜に「何お前?」といわれた。 その時、淡々と白夜に「俺はお前の親に言われて警護に来たボディガードだ」と言いキャバ嬢達の関心を引いた青龍は白夜に一睨みされた。 「カッコイー」 「私も守ってー」 「だからイイ体してんのね」 「審査よろしくお願いしま~す」 「ちょっと、アンタ飲みすぎよ…」キャバ譲にしては言う事がフランクなキャバ譲達の関心を一瞬で引いた青龍に白夜は面白くないっと思いその頬をふらませた。 「帰るっ」 「エッ」 その時、そう言い白夜を引き止め始めたキャバ譲はほどなくして舌打ちをした。 「有難うございました~」 キャバ譲達の社交辞令を背に店を後にした白夜は「あ~誰かさんのせいで酒がまずくなったー」と言い視線を移した。 その時、白夜に睨まれ少しだけその眉をひそめた青龍は(仕事とは言えやだなーこんな図体のデカい幼稚園児のお守り)と思った。 それから寝食を共にし始めた二人は筋トレという共通の趣味があった為、近付き始めた。 プールがある室内。そこで泳いでいる白夜は水着姿で青龍はプールサイドにスーツ姿で佇んでいる。 「…あー気持ち良かった」プールから上がるや否やそういい青龍に視線を移した白夜は「お前も泳げば」と言う言葉を発した。 「俺の仕事はお前の警護だ」 「かてぇこと言うなよ…あ、もしかしてお前泳げねぇの?」 その時、その顔にイラッとした表情を浮かべた青龍は「泳げる」と言いスーツを脱ぎ始めた。 「お前いつの間に…ってかスーツの下水着だったのね…あ」 その時、青龍のムダなモノや非の打ち所がない体を目の当たりにした白夜はその目を見開いた。 うわ…。 その時、青龍の逆三角形の体にため息をついた白夜は青龍の水泳選手顔負けの泳ぎを目にしその眉をひそめた。 アイツ…体だけじゃなく泳ぎまでオレより…。 その時、青龍にストレスを感じた白夜は黒い事を考え始めた。 「…そうだっ」白夜はその顔に黒い表情を浮かべた。 それから青龍が着ていたスーツをプールの中に落とした白夜はその場を走って離れ始めた。 その時バタフライをしていた青龍はその目を見開いた。白夜がスーツを落とした場所から50メートルほど離れている場所。そこから白夜の悪行を見た青龍はプールから出ると走って白夜の後を追い始めた。 …手間かけさせやがって…。 その時、白夜に心を奪われかけていた青龍は白夜に対する認識を改めた。 心配性の親がいてちょっと可哀想な美青年。急に黒い事して俺の仕事増やすボンボン。 青龍がプールがある部屋を出た時、一人の男が室内プールの隣室にいた。 「良かった」男はそう言うとその顔を綻ばせた。 同じ頃、白夜の行き先を考えながらロッカールームに行った。 ロッカーが並んでいる。そこで脱いだ服をロッカーに入れようとしていた人の姿に目を留めた青龍は「それ借して下さいっ」と言い誰かの服を掴んだ。それから誰かのスーツを身に着けその場を離れた青龍は男子トイレから出てきた白夜を捕獲しその口を開いた。 「何で俺のスーツをプールに落とした?」 「…」 「…今度やったらお前の首に鎖付きの首輪つけるからな」 その時、確実に離れ冷えきっていた二人の心は後日、一つになった。 「…青龍っっ」 白夜と青龍がいる室内。そこで青龍にその体を投げた白夜は数日前、アミューズメント施設の中にいた。 ゲーム機や両替機がある室内。 そこで数十分前からゲームをし続けている白夜は青龍と話す事はおろか目を合わせる事もない。 その時、対戦ゲームをしていた白夜はほどなくしてその口を開いた。 「やった」 その目を輝かせガッツポーズをした白夜は刹那、「あーまた負けちゃったー」と言う男の声を耳にした。 「君、強いねー」白夜にそう言い白夜を喜ばせた男は青龍に視線を移した。 「あ、コイツはオレの親が勝手に雇ったボディガード」 「へー」男はそう言うと自分を警戒し続けている青龍を一瞥した。 「俺、寒川ルイって言うんだけど、これから俺とあっちにあるゲームしねぇ?」 「びゃく…」 「いいぜっ」 白夜は青龍の言葉を遮ると寒川と名乗った男について歩き始めた。 その時、その顔にある眉を細めた青龍は白夜の後に続いた。 それから白夜は数十分間、寒川と名乗った男と対戦ゲームをした後その口を開いた。 「あー楽しかった…けど金魚の糞みたいのがいなかったらもっと楽しかったんだろうなー」 「…」青龍は僅かにその眉をひそめた。

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