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第1話
今日で僕は16歳になる。
6歳の時に父に捨てられ泣いていたのを、鬼柳会のサトーさんに出会った。そしてサトーさんは僕に色々なことを教えてくれた。体感したことのないようなことを教えてくれた。小学校や中学校には行ってないけどその代わり、サトーさんが教えてくれた。
そして今日。僕はサトーさんと鬼柳会に来ている。
「失礼します…。佐東です。」
「入れ。」
と低い声が返ってくる。
中は、たくさんの強面のお兄さんたちが居て奥に3人の人が真ん中に居た。
右端のお爺さんと、黒髪の若いお兄さんの間に席がひとつ空いていた。
左端のチャラチャラしたお兄さんが、言った。
「その子が、”幸” 君?」
「はい。今日は例のあの日ですので。」
お爺さんが尋ねてきた。
「幸君。君は今16歳か?」「…はい。」
「ちっさいな。」と黒髪のお兄さんが言った。
「幸、あちらの席に座りなさい。」
とサトーさんは僕を座らせた。
「では、幸の組入りと私のむすこ、鬼柳 爽 との婚約もかねて、幸の誕生日に乾杯!」
「え…?僕、黒髪のお兄さんとの婚約聞いてないよ。」サトーさんに聞いたら、「最初から決まっていたことですよ。」と言われた。
「幸。俺とは嫌か?」「…ううん。一目惚れだけども…。」「ハハハッ!幸、こんなやつに一目惚れか!…苦労するぞ?」「オヤジ!」
僕にはあまり理解できなかったけどもまあいっかっ とリンゴジュースを飲んだ。
帰り、僕はサトーさんと帰るのだと思っていたけど、「幸、爽様と帰るんだよ。」と置いていかれた。
「幸。着いたぞ。」「…んう?」
目が覚めると僕は爽さんに抱っこされていた。
周りを見渡すととても広くてシンプルな部屋だった。
「ここは、リビングだ。もうすぐ、ご飯だから、少し待ってろ。」
「うん。」 爽さんは僕をソファ―におろして
キッチンに向かった。
料理をしている爽さんはとてもかっこよかった。
晩御飯は僕の好きなオムライスだった。フワフワで中がトロリとしておいしかった。
「幸、美味しいか?」「うん!」
「そうか。…何か聞きたいことある?」
「んーと、爽さんは何歳なの?」と聞くと爽さんは笑って「28歳。」と答えた。
僕と12歳差だなぁと思った。
「幸は、俺のこと好き?」「うん!」
「ありがとな。じゃあ、お風呂行こう。」
「爽さん、くすぐったいよ。フフ。」
「コラ。ちゃんと目瞑ってろ。」
ザバーーーーーッ
「ふう…。気もちいー。」
「そろそろのぼせるぞ。」と濡れてしっとりとした黒髪はやけに色っぽかった。
「お誕生日おめでとう、幸。」と爽さんは僕に小さな縦長の箱をくれた。
開けてみると、ネックレスだった。
「わあっ!綺麗。」十字架で真ん中に碧い宝石がついていた。
裏を見ると、”I love you a lifetime ”と彫られていた。
「あい らぶ ゆうー あ らいふたいむ?」「ああ。一生愛してるって意味だ。」
「フフ。嬉しい。」
「俺とお揃いだ。」と爽さんは自分の首元から出した。真ん中に金色の宝石がついていて、裏を見ると、”forevar”と彫られていた。
「永遠に だな。」
「爽さん、大好き!」と爽さんに抱きついた。
「俺もだよ。…今日は気持ちいいことするか?」「…?」
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