1 / 2

第1話

花火大会の帰り道。 「混んでる‥けど、これ乗るしかねぇな。」 「狭っ、、ユキ、大丈夫?」 混んでる車内。 八神に手を引かれ、壁際に寄せられる。 そのまま俺のことを守るような体勢で 八神が俺の後ろの壁に手をついた。 「大丈夫。八神こそ、大丈夫か?」 「一応、ユキより鍛えてるから。」 なんて話してると、 突如、ガタンッと揺れる車内。 その弾みに、耐えていた八神のバランスが崩れて 俺との距離が縮まった。 八神の片方の手の指が、 軽く俺の乳首に触れて ビクッと肩が跳ねる。 「悪ぃ、ちょっと我慢してろ。」 わざとじゃないって知ってる。 けど、必然的に耳元に囁かれる声。 揺れに伴って時折、胸に触れる八神の指先。 目の前には浴衣から覗く鎖骨と、八神の匂い。 「八神ぃ、、。」 我慢しようと思っても出来なかった。 涙目で潤んでるだろう俺の顔を見て 察したような八神。 「チッ、こんなとこで盛ってんじゃねぇよ。」 「ん、だって、、」 「…しょうがねぇな、声、出すなよ。」

ともだちにシェアしよう!