14 / 14
第14話
20:00から花火があがり始めた。
俺はそれを部屋から眺める。
…花火のヘアピンをつけて。
平成最後の花火は俺には綺麗に見えなかった。
だから俺はヘアピンを外して空にかざした。
この透明の花火が1番綺麗だ。
俺はその花火を見ながら…
どさっ
「きゃーっ」
「男の子が落ちたぞ!」
「早く救急車を!」
なぁ、恭平。
お前がくれた花火が1番綺麗だったぜ。
平成最後の夏。
透明花火と一緒に少年が散った。
その少年の顔は幸せそうだったという。
なぁ、恭平。
俺の話聞いてくれるか?
俺、お前のこと…_
完
ともだちにシェアしよう!