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明け方、ふと目が覚めた。
昨夜の甘いひとときの余韻が体に残るものの、深く眠った感覚がある。
久々の、深い睡眠……。
「…………っん……?」
「まだ早いから寝てろ」
「……ん」
髪を櫛いてやりながら視線を移すと、本棚にキッチリ並んだ参考書と辞書が目に入った。
それから、法律に関するテキストと六法全書。
何度も反復して読み込んだのだろう。
表紙はどれも傷み、よれ、チェックで入れた付箋で厚みが増している。
「…………?」
手を伸ばそうとすると、しなやかな手に阻まれた。
「…………書き込みとか、結構汚れてるから見ないで」
「結人の頑張りの証だろ?」
「~~っ、でも、マーカーの跡とか、ホントに凄いから恥ずかしいよ……」
秀の手を掴んで毛布の中に引き込み、胸元にギュウギュウとする。
不安を抱いているときの結人の癖だ。
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