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「結……、結人」 「やだ。 僕は、僕は秀さんと離れるの嫌だ。 今だってたまにしか休みが合わないのに、離れっぱなしになったら……っ。 きっと、心配したご両親にお見合いとか用意されちゃうよ……」 「お前の気持ちは俺がちゃんと分かってる。 大丈夫だ。うちの親は見合いなんか用意してないし、させるつもりもない。 …つっても、俄には信じがたいかも知れないけどな……。 ん……、どうしたもんかな……」 時刻は五時半。 両親は畑仕事に行くか行かないかの時間帯だ。 スマホを手に取り、短めの文章を打つ。 「………………?」 「弟にメールしといた。 夕方辺りにめんこいの連れてくから、全員家にいてくれって」 「…………っ!?」 カコココ。 「……?」 「返事が来た。 どんなの連れてくんの? もっふりの子猫か?モコモコの子犬か?だってよ」 「…………?」 「血統書付きのとびきりめんこいの連れてくから、楽しみにしとけって返しとくか」 「ふあ……??」 ニヤリと笑う秀に、結人は目をパチクリさせた。

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