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第30話

ドアを開いた先にはバカデカいベッドがあった。 そこが寝室だというのは一目瞭然だ。 こんなにバカデカいベッドは見た事がない。 どんなに寝癖悪いヤツでも絶対に落ちないと思う。 下ろされるとベッドが軋んだ。 寝室に連れて来られた上にベッドにまで乗せられたら、もう逃げ場はない。 それに、一回イったところでこの熱が簡単に治まるわけもない。 いつまでも半ケツ状態でいるのも格好がつかない。 ここはズボンを上げて熱が治まるのを待つか、諦めて男らしく脱ぎ捨てるか… 選択肢は二つしかない。 いや、男に二言はないと断言した時点で選択肢は一つだ。 俺は、自ら足に纏わり付いたズボンと下着を脱いてベッド下に落とすと八神を見上げた。 「意外と積極的なのだね。俺が脱がしてあげようと思っていたのだけれど、少し残念だよ。」 「そんな事はどうでもいいから、早く来い…」 「ふふ、君の方から誘ってくれるだなんて、嬉しいよ。」 「…黙れ。俺の気が変わらない内に、早く来い…」 ベストを脱いで、ネクタイをほどき、袖のボタンを外して、前のボタンに手をかけるとプチプチ外していく。 その一連の動作はスムーズで、スーツを着なれているのがよく分かる。 いちいち指の動きが綺麗で腹が立つ。 さっきまで俺のチンコを扱いていた指には見えない。 しかし、ホントに腹立つヤツだ。 余裕なくベッド下に丸まった俺のズボンと下着に反して、八神は脱いだ服を椅子に掛ける余裕を見せた。 急に自分が真っ裸で居る事が恥ずかしくなる。 颯斗の前だと当たり前にウロウロできるのに、八神が相手だと恥ずかしく感じる。 それがなぜなのか… 颯斗はいつも真っ裸の俺に服を着ろと言う。 一般常識として言っているんだと思っていたが、ただ恥ずかしいだけだったのかもしれない。 つまり、そういう事だ。 俺が突っ込まれる方だから… それを、理解しているから恥ずかしいと感じるのかもしれない。 あの日はそれどころじゃなかった。 だから恥ずかしさなんて感じる余裕もなかった。 でも、今は違う。 熱視線の前に晒されてる。 居たたまれない… それに、上半身裸の八神は大人の色気を駄々漏れさせていた。 どんなに背伸びをしてもその色気は俺には出せないものだ。 色白なクセに、程よく筋肉もあって引き締まっていて、俺、ボディーも完璧なので!…みたいな。 悔しいけど、目のやり場に困る。 不覚にも見惚れた自分にドン引きだ。 「先程達したばかりだというのに、もうこんなにさせているのかい?…」 八神がベッドに上がった。 距離が詰まる度にベッドが軋む。 色気にあてられて反応している俺のチンコをあの指先がなぞる。 「んンッ…だ、まれ…ッ…」 「素直でない君も可愛らしいけれど、素直な反応を示すこちらの君も可愛らしいよ。」 指の腹が、まるでよしよしと子どもをあやすように先端を撫でる。 「…ッは、ぁ……そんな触り方…するなッ…」 焦らされているようなもどかしい感覚… ゾクゾクする。 でも、こんなものじゃ足らない。 解放どころか、熱がこもるばかりだ。 「…ふふ、こちらの君は甘やかされて嬉しそうだけれど?」 「バカに…するな…ッン…」 「あまりこの子を甘やかしすぎると、肝心の君が機嫌を損ねてしまうね。」 足の間に入り込んできた八神が、チンコを握ると焦らすように緩く扱いた。 「…は、ァ…焦ら、すな…ンんッ…」 「…そのような事を言いながらも、溢れているよ…」 「ッ…違っ…は、ァ…んぅ…ぁ…」 「声も可愛らしくなってきたね、蹴人…」 「も…ッ、…言うな…」 チンコを握る手に強弱をつけながら激しく扱かれると下半身に熱が集中していくのを感じた。

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