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第31話

「うう、んっ……ああっ」 「そうだ、もっといい声で啼け」  口づけを解くと今度は頤に舌を這わせ徐々に降下していく。首筋から鎖骨を通り胸元までたどり着くと、慎ましやかに主張する小さな尖りで止まった。ぷくりと膨らむそれは、健気にも快楽を受けて悦んでいる。 「ああ、んっ……ふぅ……や、あっ」  尖りのまわりで色づく桜貝のようなそれを舌先でなぞり、今にも弾けそうな主軸を甘噛みしてやれば、ジュリオは背をのけ反らせて身悶えた。 「おまえはここを噛まれるのが好きなのか」 「ちがっ──」 「なにが違う。これはそうだと言っているではないか」 「あ、ああっ」  まるで獣のように舌舐めずりをしながら、バルバトスは淫靡な笑みを浮かべて指摘する。彼が手にするもの、愛らしくへそを打つジュリオの昂りだ。それは快感を切に訴え鈴口よりしずくを流している。  柔く揉みしだいてやりながらも、決定的な官能を与えることない。そんな生殺しのような仕打ちを受け、とうとうジュリオは我慢ができず大粒の涙をこぼす。それを見たバルバトスは満足げに問う。

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