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ショートケーキ1
12月後半に入ると
あちらこちらでライトアップが目立ち
街は一気にクリスマスムードになる
当然僕のうちでも
クリスマスケーキの予約が多くなり
クリスマスが終わるまで忙しくなる
そんな中
幼なじみの桜庭祐輔が手伝ってくれてとても助かっていた
「祐ちゃんありがとね~ 助かるわ」
店を閉めた後
接客をしてくれた祐輔に母が話しかけた
「はっは、そんなの気にしないでよ~」
「そうだよ
祐はケーキ目当てなんだから…」
僕がいじわるく茶々を入れると
祐輔は苦笑いをした
「でもホントに助かったわ!!
よかったらケーキ食べない?
余りもので悪いけど…」
「うわっ、マジっすか!!」
祐輔が子供みたいに目をキラキラさせるから
母もすごく嬉しそうだった
店内の奥にひとつだけある 小さなテーブルにつくと
母が紅茶とショートケーキを持ってきてくれた
「ゆっくりしてってね
雪菜、あとよろしくね」
そういって母は自宅の方に戻っていった
店内は祐輔と二人きり……
窓際にある小さなツリーの飾りが店内のライトに当たり
キラキラと光っていた
「…ン、んまっ!!」
祐輔は大きな口をあけてケーキを頬張る
僕はそんな祐輔をよそに
ふと杉浦の事を思い出してしまっていた
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