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第2話
「……んん、…あ」
スっと目を覚ます。
べっとりと嫌な感触がする身体に触れ、陽の射す窓を見る。
「なんだっけ、……まぁいいか」
夢を見ていた気がする。
ずっとずっと昔の夢。…いや、そんなの見てないし覚えてない。そういうことにしようか。
「……玲?起きたのか…」
「あ、ラキ…おはよう」
「ん…はよ」
ちゅ、と僕の長い髪にキスを落とす男。
そういえば昨日……ね。
彼との行為は気持ちいいから最近は彼ばかりと寝ている気がする。
でもしょうがないよね、他の子達は下手くそだから。
「今日も、仕事か?」
「うん、そう。でもまだいっぱい時間あるよ」
「…誘ってるか?」
「クスクス、そんなわけないじゃない。今からシたら間に合わないもの……でも、キスだけならいいよ」
「ふ……そうか」
さらり、ラキの手が僕の髪を撫でる。
あぁ…ほんと、いいなぁ…
"僕だけ"を愛してくれる人は…
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