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【SS】しあわせの時間
大好きな秋になってきたのでふと書きたくなり、起き抜けに殴り書いた10分クオリティ。
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晴れ渡る秋空は高く澄み渡り、空気はすっかりひんやりとしたものに変わり心地良い。
「ええ天気やなぁ。絶好の行楽日和ってやつやな」
窓辺で空を見上げながら上機嫌で伸びをする。
お出かけ大好きなリョウは、こんな天気だとどこかへ外出したくて仕方がない。
遊園地なんか楽しそう。
植物園もいいな。
なんだったら、普通に公園を散歩するだけでも。
どこだっていい、アヤと一緒なら。
流れの速い雲を眺めていると、後ろからシーツの擦れる音。
起きたのかな、と振り返ろうとしたら、背後から腰に腕が回った。
「おはよ、アヤ」
蕩けるような笑顔で、リョウが声を掛ける。
「な、めっちゃええ天気やで!どっか出かけ…」
腰をホールドされたまま、アヤが後ずさりするので、リョウも引きずられるように一緒にバックする羽目に。
とうとう二人、後ろ向きにベッドに倒れこんだ。
素早く掛布団にくるまれる。
「…ハイハイわかりました」
リョウはアヤの方に向き直り、肩を抱き寄せ髪を撫でた。
アヤはまた、心地良い寝息を立て始めた。
その先もしたかったけれど、ぴったりと閉じられた瞼、穏やかに上下する身体を見ていたら、次第にリョウも眠くなってきた。
「おやすみ、俺のアヤ」
額に軽くキスを落とすと、リョウも目を閉じた。
—アヤの耳が赤く染まったことには気づかずに。
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