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第12話

それから、退屈だろうと思っていた僕の夏休みは小さな男の子のおかげで楽しいものになった。 夜を迎える前の、何を一緒に飲もうか、何で遊ぼうかと考える時間も楽しかった。 だけど、依然として家に関することのりおくんの口は硬かった。 力のない僕には何も出来ない。 たとえ、家の場所がわかっても僕だけではなんの役にも立てないだろう。 「悲しい顔してる……どうしたの?大丈夫?」 「なんでもないよ。ちょっと眠たくなってきただけ」 この子に心配をかけてしまうなんて。 自分から話しかけてくれるようになったのが嬉しくて、でもちょっと自分が情けなかった。

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