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第6話

「そうですよねえ。自宅にテレビもないし公衆電話を未だに小説に描写するし、携帯は持ってないし。そのパソコンだってWindows2003だし。テレビ見てないですよねえ」 「まて、なんで色々俺の事を知ってるんだ?」 「なんでって、好きだからですけど?」 何を当たり前のことを言わせるのだ。 そう言わんばかりに頬を染めるあっくんに、俺はどんな表情をするのが正解なのか。 できれば、その制服を脱いで、中身は帰ってほしい。 「でね、本題なんですけど。あ、これ持ってて下さい。和葉さんのです」 言われるがまま薔薇の花束を渡され、あっくんがポケットから取り出した紙切れを見せられる。 「本日から、同性婚も市役所で同じように手続きできるようになったんです」 カサカサと開かれた紙は、婚姻届。 既にあっくんの名前とあっくんのご両親、そして俺の親の名前まで書かれている。

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