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第1話

校長室内でうら若き校長が教頭に萌える事をされる。腐女子と腐男子の妄想を実体化したような男子校、芸弐高等学校は全寮制の進学校。真面目さを買われ27歳…と言う若さで校長に抜擢された美青年、小楢広斗の職場。 「…きょっ教頭せんせぇんっっ」 校長室内。そこでうら若き教頭、佐伯郡司に口淫されている広斗はスーツ姿で自分の口を抑えた。 その時、広斗の顔を面白そうに見ていた郡司は男感のある美貌の持ち主で長身。広斗と同様に真面目さを買われ異例の若さで教頭になった郡司は広斗に会うまでは淡白なタチの男だった。 「…おはよう、おはよう」 校内にある廊下。そこですれ違う生徒や職員に挨拶をしながら歩いている郡司は大富豪。充実感や達成感を得る為、働いている独身の郡司はその日、会う予定の新しい校長、広斗に会う為、職員室に向かっている。 …新しい校長、若いけど真面目って話だけど…。 その時、郡司が抱いていた一抹の不安感は広斗に会った事で膨らんだ。 「…おはようございます」 !まじか…。 広斗の美貌をみるやいなや郡司はそう思った。 ルックスも性格もイイ男なんてほとんどいない…と言う事を経験から知っていた郡司は挨拶をし返しながら先の事を考え暗い気持ちになった。 それからほぼ毎日広斗と会う…と言う生活をし始めた郡司は広斗の人となりを知り惹かれ始めた。 ある時は珈琲を入れ、ある時は多忙な教頭の仕事を手伝い、ある時は「お疲れ様です」と言う言葉で郡司の労をねぎらった広斗は童貞。学生時代グレていた広斗は広斗が通っていた学校の校長に会い改心し校長になる事を志した好青年。権力を振りかざす事は勿論、教頭などを見下したりもしない広斗はすぐ人気者になり郡司をヤキモキさせ始めた。 「…うわー凄い数のサクランボですね」 「でしょー」 桜の樹の側。そこでさり気なく広斗の肩や腰をおさわりしている教師を見た郡司はその眉をひそめた。 「ゴホッゴホンッ」郡司は咳払いをすると二人の間に割って入った。 「黒岩先生そろそろ帰ってテストの準備しないとまずいんじゃありませんか?」黒岩は一瞬その顔に不快感を露わにした後その口を開いた。 「そうですね。それじゃまた明日」 「お疲れ様でしたー」 この人は…。 広斗の鈍感さにイライラしながら郡司はその口を開いた。 「校長先生」 「ハイ」 「あのオト…黒岩先生には気をつけて下さい」 「エ…」 「彼は多分…いや何でもありません」 その時、怪訝な表情をした広斗は黒岩先生に限って…と思い後日、黒岩と密室で会った。 「…話ってなんですか?」 保健室の中。そこで黒岩と二人きりで会った広斗は刹那、黒岩に襲われその目を見開いた。 「くっ黒岩先生?」 「校長先生おとなしくしてたら痛くしませんから」 黒岩はそう言うと片手で広斗の服を脱がし始めた。広斗は黒岩に股関を握られている為助けを呼べない。 「ぅぅっ」恐怖から涙目になり震え始めた広斗は郡司にされた忠告を聞かなかった事を後悔し始めた。 「大丈夫オレ前にもしてますから」黒岩はそう言うと広斗のパンツに手を入れた。 「ひぃっ」広斗はその顔をひきつらせた。 その時、だからいったんですよ…と言う郡司の声が広斗の鼓膜を揺らした。 「なっ何でお前がここに」 黒岩はカメラを片手にしている郡司をみるやいなやその口を開いた。 「大人の事情です」 「」

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