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Ⅰ 俺の部屋に競パン野郎がやって来た!!①

……うん? なんだろ、これ。口の中がとっても甘い。 あ、チョコレートだ。 おつまみのチョコ。これ食べて、ゲイリー・スミスの映画見てたんだっけ。 なんで? 映画の内容、なにも覚えていないんだ? アアァァァーッ! 寝てしまった。 序盤早々。 間に合うかっ。せめてラストだけでも見たい! 目覚めろ、俺! パチリ ンチュウゥゥ~♥ ヌチっとして柔らかくて暖かくて、湿った感触……気持ちいいな。 んっ、んんんっ パンパンパンッ 息ッ、息ができんーッ! 手当たり次第叩く。 酸素ーッ!! お花畑が見えた瞬間、目の前に現れたのは花よりも優雅に微笑む秀麗な顔だった。 「おはよ♪京太(きょうた)」 「ギャアァァァーッ!」 なぜ、お前がここにいるッ 「(あがた) 真守(まもる)ゥー!!」 力一杯叩いていたのは、同期の肩だった。 「京太を甘いキスで起こしにきたんだぞ」 甘くない! チョコを食べさせたから、口の中が甘いだけだ。 「鍵はッ」 「京太が定時帰りなら、俺も残業なしだ」 「ちゃうわーッ」 玄関の鍵が掛かってる。合鍵なしで、どうして俺の部屋にお前がいるんだっ なによりも! 「なんで競パンなんだーっ!」 「競パンは男の制服だぞ!」 バン★ 「ギャアァァァーッ!」 ピッチピチ 白い布地に性器の形がくっきり張りついてるゥゥーッ ……悪夢だ。 俺は悪夢という夢から醒めていないんだ…… 競パン野郎が、俺の部屋に来てしまったー★

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