2 / 17
Ⅰ 俺の部屋に競パン野郎がやって来た!!①
……うん?
なんだろ、これ。口の中がとっても甘い。
あ、チョコレートだ。
おつまみのチョコ。これ食べて、ゲイリー・スミスの映画見てたんだっけ。
なんで?
映画の内容、なにも覚えていないんだ?
アアァァァーッ!
寝てしまった。
序盤早々。
間に合うかっ。せめてラストだけでも見たい!
目覚めろ、俺!
パチリ
ンチュウゥゥ~♥
ヌチっとして柔らかくて暖かくて、湿った感触……気持ちいいな。
んっ、んんんっ
パンパンパンッ
息ッ、息ができんーッ!
手当たり次第叩く。
酸素ーッ!!
お花畑が見えた瞬間、目の前に現れたのは花よりも優雅に微笑む秀麗な顔だった。
「おはよ♪京太 」
「ギャアァァァーッ!」
なぜ、お前がここにいるッ
「縣 真守 ゥー!!」
力一杯叩いていたのは、同期の肩だった。
「京太を甘いキスで起こしにきたんだぞ」
甘くない!
チョコを食べさせたから、口の中が甘いだけだ。
「鍵はッ」
「京太が定時帰りなら、俺も残業なしだ」
「ちゃうわーッ」
玄関の鍵が掛かってる。合鍵なしで、どうして俺の部屋にお前がいるんだっ
なによりも!
「なんで競パンなんだーっ!」
「競パンは男の制服だぞ!」
バン★
「ギャアァァァーッ!」
ピッチピチ
白い布地に性器の形がくっきり張りついてるゥゥーッ
……悪夢だ。
俺は悪夢という夢から醒めていないんだ……
競パン野郎が、俺の部屋に来てしまったー★
ともだちにシェアしよう!