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第7話
「彼を誘った」
「は? あのシェフ? マジか」
ミケーレがにやりと面白そうに笑う。
「日本人?」
「ああ。ラ・ロッソのシェフ見習いだと」
「へえ。もう口説いて来たのか?」
「さあ?」
どちらでもいいのだ。
顔が好みだったから退屈しのぎに声を掛けただけだ。
誘われ慣れているようだった。
軽く目を瞬いたけれど、さほど驚いてもいなかった。
リカルドは黒い瞳を思い出しながらワインを飲みほした。
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