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第30話
部屋に入って俺は鞄を机の上に置いた。
そしてミクは俺を意識してないのか、スカートをめくって紐を結び直していた。
「んっ……上手く結べないよー!!」
……無防備過ぎる。
ここにミクの貞操を奪いたいと考えている俺がいるのに、本人は知らずにこうして美味しい姿を晒しているわけだ。
小学生ってこんなに無防備だっけ?と考えさせられる。
「ミク、俺が毎日紐結ぶから。それまで履かないでくれない?」
「……坊っちゃん、呆れてますか?僕坊っちゃんに呆れられたら、辛くて生きていけません!!」
ミクは俺に縋りつくように寄ってきた。
その瞬間、パサリと床に紐パンティーが落ちた。
なんだなんだこの可愛すぎる展開はっ!!
だけど……ここは『出来る主人』でいなきゃ、今後ミクの隣には相応しくない気がする。
俺は彼の肩に手を置いて、
「大丈夫、俺がキミを呆れたりするわけがないんだよ。俺はミクが大好きなんだから」
「本当にですか?!もしそうなら、……また昨日みたいにぎゅってしてください!!」
ぎゃああぁぁぁぁっっ!!
ミク、ミク……、可愛すぎるだろっ!!!!
俺の理性は一瞬ブチ切れて、思い切りミクを抱き締めた。
クンカクンカ臭いを嗅ぐと、彼の陽だまりのような優しい香りがして……駄目だ、俺はミクの唇を奪っていた。
「ン……ぅう、ん」
俺が気が付いたときには、深いディープキスまで奪っていた。
……どうする?
どうする?!
どうする、俺っ?!
どうやってこの状況を誤魔化せば良いんだ。
取り敢えず、名残惜しいが唇を放しす。
トロンとしたミクの顔がやけに可愛くて、俺の心臓の鼓動は高鳴っていた。
「ミク。……その、ごめん」
「ぇ?」
それ以外の誤魔化しが出来ない俺は、小さなミクの身体を抱き上げてから紐パンティーを拾い、ベッドに座らせてから履かせた。
「課題、初めて大学で出されたんだ。落ち着いたらお茶入れて持ってきて」
「……はい」
俺はそれ以外の弁解は何も出来なかった。
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