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10-S
《extra story part 2》
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〜♫
ピアノを弾いていると。
ん?
急に膝の上が重くなった。
目線を下げると。
ネコ?
俺の膝の上に、目がクリッとしたスコティッシュフォールドがいた。
藤に似てんなぁ。
そう思うと、俄然ピアノに力が入る。
聴いてほしい俺のピアノ。
気に入ってほしい俺のピアノ。
好きになってほしい俺のピアノ。
〜♫〜♫〜♫
ん?
膝が軽い?
再び目線を下げると、ネコがいない。
そして、ピアノもない。
周りを見渡す。
……吉川。
吉川の腕の中には、さっきまで俺の膝の上にいたスコティッシュフォールド。
ちょっと待て。
そのネコは俺んだ!
そう思って吉川に詰め寄る。
が。
吉川の腕の中にいるネコは…。
嬉しそうに喉を鳴らしていた。
オマエもそうなのか?
やっぱり吉川の方がいいのか?
いまだ吉川の腕の中で戯れているネコ。
藤とネコが重なる。
俺に懐いてたと思ってた。
忘れてたよ。
オマエは、いつの間にか別の場所に行くことを。
だいぶ長いこと俺のとこにいたから、このまま飼い猫になってくれんじゃねーかと思ってたよ。
…そうじゃなかったんだな。
ボーッと考えていたら、吉川が消えていた。
ん?
足元に違和感。
え、オマエ…。
足に絡むネコ。
ったく…。
俺も、大概だな。
足元のネコを抱きかかえる。
どっかに行くと分かってても、擦り寄ってきたら、つい許してしまう。
なぁ、首輪を付けてもいいか?
なぁ、家猫にしてもいいか?
頭を撫でると、気持ち良さそうな顔をする。
可愛いヤツと思っていると、ペロリと俺の唇を舐めてきた。
こないだの藤に似ている。
何度も、何度も舐めてくる。
嬉しいが、さすがに擽ったくって、少し顔を逸らした。
次の瞬間……。
ネコが藤に変わっていた。
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