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10-S

《extra story part 2》 ****************** 〜♫ ピアノを弾いていると。 ん? 急に膝の上が重くなった。 目線を下げると。 ネコ? 俺の膝の上に、目がクリッとしたスコティッシュフォールドがいた。 藤に似てんなぁ。 そう思うと、俄然ピアノに力が入る。 聴いてほしい俺のピアノ。 気に入ってほしい俺のピアノ。 好きになってほしい俺のピアノ。 〜♫〜♫〜♫ ん? 膝が軽い? 再び目線を下げると、ネコがいない。 そして、ピアノもない。 周りを見渡す。 ……吉川。 吉川の腕の中には、さっきまで俺の膝の上にいたスコティッシュフォールド。 ちょっと待て。 そのネコは俺んだ! そう思って吉川に詰め寄る。 が。 吉川の腕の中にいるネコは…。 嬉しそうに喉を鳴らしていた。 オマエもそうなのか? やっぱり吉川の方がいいのか? いまだ吉川の腕の中で戯れているネコ。 藤とネコが重なる。 俺に懐いてたと思ってた。 忘れてたよ。 オマエは、いつの間にか別の場所に行くことを。 だいぶ長いこと俺のとこにいたから、このまま飼い猫になってくれんじゃねーかと思ってたよ。 …そうじゃなかったんだな。 ボーッと考えていたら、吉川が消えていた。 ん? 足元に違和感。 え、オマエ…。 足に絡むネコ。 ったく…。 俺も、大概だな。 足元のネコを抱きかかえる。 どっかに行くと分かってても、擦り寄ってきたら、つい許してしまう。 なぁ、首輪を付けてもいいか? なぁ、家猫にしてもいいか? 頭を撫でると、気持ち良さそうな顔をする。 可愛いヤツと思っていると、ペロリと俺の唇を舐めてきた。 こないだの藤に似ている。 何度も、何度も舐めてくる。 嬉しいが、さすがに擽ったくって、少し顔を逸らした。 次の瞬間……。 ネコが藤に変わっていた。 ******************

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