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第58話 屋烏乃愛 ※
悠ちゃんが、僕の足を抱えたまま聞いてくる。
「はぁ…っ、俺、余裕ないよな…ごめん。玲…、俺たちは男同士だから、ここでセックスするんだ。今からここに俺のモノを入れる…。いいか?」
「うん…大丈夫。僕、ちゃんとわかってるよ…。悠ちゃんとそういうの、出来るのかなぁ…って、したいなぁ…って、調べたことある。調べて、悠ちゃんと繋がりたい…って思ってたよ…。だから、して…欲しい…」
「…っ、はぁ…、俺、おまえには一生敵わない気がする。そんな風に思ってくれてたんだな…。玲…ゆっくりするな。辛かったらすぐに言えよ?」
「ん、大丈夫だから、きて…」
悠ちゃんが僕の太ももをスルリと撫でて、ゆっくりと腰を進めていく。後孔を大きく広げられて、僕はひきつれた痛みに顔を歪めて声を上げた。
「あ…っ!んぅっ、はぁっ、あっ…」
「玲…愛してる、玲…」
悠ちゃんが何度も僕の名前を呼んで、少し萎んでしまった僕の性器を握りしめる。上下に動かし先端を爪でかかれて、思わず中にある悠ちゃんのモノを締めつけてしまった。
「くっ…!はあ…っ」
「あっ、んぅ…、苦し…はぁ…っ」
悠ちゃんが身体を倒して僕に被さり、唇に吸いついた。柔らかく食んでから、僕の舌に舌を絡める。
僕は悠ちゃんの首に腕をかけて、夢中で熱い舌の感触を感じていた。
唇と舌が痺れてきた頃に、ようやく悠ちゃんの顔が離れる。僕の頰を両手で挟んで、少し苦しそうな顔で見つめてきた。
「玲…わかるか?全部、入った。ずっと…、ずっと夢見てた、おまえの中だ…。すごく気持ち良くて、嬉しくてヤバい…っ。玲、大丈夫か?辛くないか?」
「うん…だいじょぶ…。ふぅ…んっ、僕の中、悠ちゃんでいっぱい…。ちょっと痛くて苦しいけど、それよりも…嬉しい…っ」
そう言うなり、僕は涙を溢れさせた。
悠ちゃんとは、もう昔みたいに話せないのかなって思ってた。悠ちゃんの大きな手に触れられないのかな…って。
だけど今、僕の中に悠ちゃんがいる。僕の中で、時々ピクリと動いているのがわかる。
悠ちゃんと深く繋がれたことがすごく嬉しい。だから、少しぐらい痛くても苦しくても平気。だって、幸せな気持ちの方が大きいから。
そう伝えたいのに、震える唇では「ゆ…ちゃ…」と、名前を呼ぶのが精一杯だった。
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