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第48話

「せんせ……い……っ」 呼びかけても先生からの返事はない。 でも一層律動の激しさが増した気がした。 いつもだったら前立腺を刺激されて何回もイかされるけど、いまはただひたすら打ちつけられてる。 僕のものにも触れられていない。 なのに段々と僕の身体は絶頂に近づいていた。 ギシギシと机が揺れる。 僕の身体も揺さぶられるたびに昂ぶっていく。 そして――― 「ッ……く」 深く深く突き挿し呻く先生。 そのすぐあと僕の体内に熱いものが吐き出された。 それに反応するように僕の目の前が真っ白になって一度も触られないままだった半身から白濁が飛び散るのがわかった。 「ぁ……っあ……は……んっ」 先生に教えられた快感になにも考えられないまま支配される。 余韻に身体を震わせながら乱れた呼吸で必死に酸素を吸い込んでいたら先生のものが出ていくのを感じた。 喪失感と脱力感に襲われて床に座り込む。 肌につく床のひんやりとした感触と、後孔から先生が出した欲の印がほんの少し肌を伝う。 カチャカチャと響くベルトの音。 力なく見上げれば僕に背を向け先生がズボンを履きなおしていた。 「―――……これで」 着衣を整えた先生が抑揚のない声で呟く。 僕は先生を見つめつづけ、先生は振り向いてくれない。 「満足か?」 だけどそう吐き出すように言った後、振り向いた。 「……っ」 ここに来たときと変わらない凍てつくような冷たい眼差しが僕を貫く。 「お前、本当に淫乱だな? 犯されてイキまくって、いまも触ってないのにイってたな?」 羞恥に顔が熱くなる。 その通りだけどでもそれは先生だから。 「せんせ……っ、僕はっ」 「……やっぱり今抱いてわかった。ツマラナイんだよ、お前。もう飽きた。学校のこと以外で俺のところにくるな」 侮蔑。 そんな言葉が浮かぶくらい先生の声は僕を拒絶していた。 「……先生っ」 ツマラナイって言われた。 飽きたって言われた。 でも、でも―――。 「先生っ、僕、先生がっ」 「もうすぐ授業が終わる時間だ。俺は煙草吸ってくる。お前は汚いもの掃除してとっとと出ていけ」 僕の声を遮り先生が歩き出す。 「先生っ!!」 必死で先生って呼びかけた。 だけど先生は振り向きもしないでドアを開ける。 「先生、僕は先生が好―――」 そして、 「―――」 閉じた。 しんと静まりかえる室内。 性交の熱がまだ残っているはずなのに冷え切っている空気。 僕は呆然として動くことができなかった。 ドアが閉まる瞬間聞こえてきた呟き。 ―――気持ち悪いんだよ。 「……は」 一気に目の前が歪んだ。 ぼたぼたと熱い雫が床に落ちていく。 ぼたぼたと落ちていくそれを止めることができず、先生に掃除しておけって言われたのに動くことができず。 授業が終わるチャイムが鳴るギリギリまでその場にうずくまっていることしができなかった。 side H END

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