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ねぼけたつーくん
side 遼介
夜中に催して、トイレに行った。つーくんは横で眠っていて起きる気配はない。
つーくんは眠りが浅いのか、俺がすこし身動ぎしただけで目を覚ましてしまう。申し訳ない。
あとつーくんは、大抵魘されている。でも......本人は夢の内容を覚えてもいないし、魘されていることにすら気づいていない。
自覚がないのなら、それで安定しているならそれでいいんだけど。
トイレから帰ってきたら、ムクリとつーくんは起き上がって首を傾げていた。
あ〜...起きちゃったか。
ぼんやりと俺の方を見るつーくん。なんの反応もないことから、まだ頭が起きていないことが分かる。
写真盗りたいけど、我慢。完全に覚醒しちゃったらもう1回寝付くのが大変だろうから。
「つーく、」
声をかけ横になろうとしたら、鼓は俺の使っている枕をぶんどっていった。
「...へ、あの?」
自分の枕すらも抱え込む。
「...鼓さん、あの、それないと寝れないんですけど」
いや、寝れないことは無い。ないが、首が痛くなる。
というかなんで枕とったの?それじゃくても、この前あげたクマのぬいぐるみ抱えれば良くない?
「あの?」
「...」
枕を抱えたまま、じっとこっちを見るつーくん。
可愛い。
じゃなくて。
じっと見つめ返していたら。
つーくんはいきなりにこぉ!と笑顔を、そりゃとてもいい笑顔を浮かべて。
「せんぱいのまくら、も〜らった。りゃくだつせいこう〜」
と言った。
「んんんんんんんんんんんんん」
悶絶。この人生、一遍の悔いなし。
今夜はもう、枕なしで寝てもいいや...
***
いつの間にか一緒に寝ることが当たり前になってきている遼鼓。
一応鼓の部屋に鍵はついているが、遼介には通じない模様。
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