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Un rhume 3
時間がたつにつれ、喉の痛みに加え、鼻水とくしゃみがではじめた。
帰りに薬局で風薬を買いそれを飲んで早く寝たのだが、朝、起きたらなんだか怠い。
マスクをして出社したが、お昼ごろには顔色まで悪くなっていたようで、清美に帰るように言われた。
「だいじょうぶですよぉ」
少しぼっとするが、仕事が出来ないほどではない。
だが、清美は首を横に振るう。
「貴方が思っている以上に熱があるわよ、絶対に。病院に行って大人しく寝てなさい」
「わかりました」
病院に寄り薬を貰い家へと帰る。
肩や関節まで痛みを感じるようになり、熱を測ると8度を超えていた。
風邪を引いた理由が理由だけに、馬鹿だなと自分にあきれかえる。
「あぁ……、しんどい」
コンビニで食べやすい物を買って家に帰る。
薬を飲むためにプリンを食べ、スマートフォンを見るとラインからメッセージが送られていて相手は清美だ。
<大丈夫?>
<病院に行って薬を貰って今から飲む所です>
<そう。ゆっくり休みなさいね。おやすみ>
<はい。おやすみなさい>
タイマーをセットし、薬を飲み早めに就寝をした。
だが、熱は引くことなく、2日、3日と過ぎてもまだ熱は下がらなかった。
熱のせいで人恋しくなっているのか、龍之介に会いたくてしかたがない。
「龍之介さん」
おめでとうと言ってくれた時の、その姿を思い出して、心がさみしくなっていく。
「会いたいなぁ……」
清美から聞いた龍之介のアドレス。
お見舞いに来てほしいと送ろうかと思ったが、風邪をうつしてしまったら申し訳ないと枕の横へと置いた。
部屋のインターホンが鳴る。
誰だろう。
ふらりと起ちあがりインターホンが鳴り、そっとドアを開けば会いたいと願っていた相手が立っていた。
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