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第18話

 頭部を舌先で刺激を与えてやりながら、鈴口に舌をねじ込み軽く歯をたてた。 「……くっ」  余裕な態度をしていても、焦らされた挙句の刺激は強い快楽を生み、さすがの西園寺も澄ました顔を歪めて耐えるしかない。そんな様子に周防も頬を緩ませ溜飲が下がった。  ここまで焦らしてやれば後は早いかと、しとどに濡れそぼつそれを口内に収めた。  初めはゆっくり徐々にスピードをあげ、手の輪と同じ要領で扱いていく。絶えず舌を動かし強く吸い上げてやると、無味だった体液に少しずつ青味が増す。  もう一息で爆ぜるか。一気にラストスパートをかけてやるつもりが、けれど大きな手で両頬をホールドされてしまい叶わずじまいに終わる。ずるりと怒張が口より遠のく。 「んっ……もう、いきなり何すんの。邪魔すんなよ」  手を退けろと文句を言おうとしたところで、それより先に西園寺が「悪い、もう限界だ。櫂のなかに入りたい」と懇願する。  絞りだすような彼の声音から、どうやら切羽詰まった様子だ。頬の手が脇に下がると、立場が逆転し周防は組み敷かれてしまった。  枕元に寝かせてあったボトルを取り、とろりとした液体を手のひらに垂らす。それを周防の双丘に届けると、慎ましやかな窄まりに塗り込める。 「うあっ、んっ……」  つぷりと指を一本なかに忍ばせ、円を描くように口を広げていく。昨夜も散々愛し合ったからか、すぐに後孔は柔くほころんでいった。  二本三本と指を増やしながら、ローションを注ぎ足して滑りをよくする。いつもであれば周防の負担を軽くするため時間をかけ慣らすのだが、今はそんな余裕もなく早々と指をひき抜く。 「きついかもしれんが我慢してくれ」  精悍で男らしい顔が困った表情に曇るほど胸にくるものはない。周防を見下ろす西園寺の表情は悲しげな狼のようで愛しさが増す。  屹立に避妊具を装着しローションを絡めながら、西園寺は申し訳なさそうに願いを立てる。 「ん、いいよ。はやくきて」  自ら足を開きながら周防は笑顔で彼を誘う。覆い被さるように西園寺が体躯を下げると、ふたり重なり快楽の水面に溶けてゆくのだった──────

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