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2章【耽溺】第1話

 俺の人生終わった。  すべて俺が蒔いた種だ、自業自得なのは分かっている。けど、それでもだ。俺ひとりだけ(・・)が悪いっつーのって、なんか違うだろ。ンなの到底納得できねえよ。  よって集って俺ひとりが悪者(わるもん)とか言ってさ、だったらてめえらだって似た者同士じゃねえかよ。俺から言わせりゃよ、しょせん同じ穴のムジナっつんだ。  俺が地獄に堕ちんなら、てめえらだって速攻で墜落だっつの。  発端はほんの軽い浮気。つか泣いて喚くほどのことじゃねえし。たんなる性処理じゃん、目くじら立てる方がおかしいっつの。それを鬼の首を取ったみてえによ……。  俺と別れた女房が出逢ったのは四年まえ。大学二年のときにダチ経由で集まったコンパで知り合ったのがきっかけで、となりに座った者同士やたら意気投合して座敷を抜けだしホテルにゴー。  二度か三度目かは覚えてねえけど、そんときにヒットしたみてーで孕ませたのが運の尽き。相手の親から散々文句を言われ、ついでに俺の親からもフルボッコされて仕方なしに入籍。  周りからはデキ婚かよと冷やかされながらも、最初のうちはそれでも嬉しかったかもしんねえ。だってあいつの腹ンなかに俺のガキがいるとか考えたらさ、そりゃあテンションぐれえ上がんだろ。  けど徐々に嫁がヒスを起こし始めてよ、息が詰まるっつか俺の居場所がねえとか思ったらもう限界で、ほんの出来心でサークルで仲の良かった女に手を出しちまった。  それが妙にハマったっつーか、身体の相性がいいみてえでのめり込んじまって。股間同士がマッチングすりゃあ猿にもなんじゃん。で、ずるずると二か月ほどつづいたと。

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