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第3話
それから何事もなく出産間際、立会出産しろとか訳わかんねーこと言われて嫁の神経疑いつつ、それでも善き夫として妻の願いを叶えてやった。つか血ぃ見てぶっ倒れたけどな、俺。
その後。赤ん坊は順調に育ち、二歳になった頃は幸せの絶頂だった。マジで俺の子は可愛くて、男だったから俺の親もそりゃあ大喜びでよ。
けど仕事先の派遣できた女に捕まって何もかもがブチ壊れちまった。初めは相談されて、それに俺が乗ってやるって程度。仕事終わりに飲みいって話聞いてやって。
それが徐々に距離を詰められちまって、ついでに俺のうえに乗られちまった、と。けどこんなのよくある話、黙ってりゃ熱病みたくすぐに治まったはずなんだ──なのによ。
その女ってのが性質の悪りぃメンヘラだったみてえで、俺の知らないところで嫁に攻撃しまくってたようだ。しかも俺の両親に”嫁と離婚したら自分が妻になる”とか言いに突撃したらしくて。
もう俺が全部知ったときには何もかもが手遅れで、嫁から緑の紙を突きだされて嫁父にはボコられて。まだ働きだして間もなかったし貯金なんて微々たるもんだ、無い袖は振れねえっつんで渡せるもんはみんな嫁に渡してサクッと離婚。
親権も取られてすげえ後悔した。なんで俺あんな女と浮気したんだって、毎日自問自答して落ち込みまくった。それこそ写経でもしそうなほど反省したりしてさ。
やけになって深酒しまくって仕事に穴開けて首になり、大学時代のダチはほとんど俺から去ってくしで人生崖っぷち。
けど捨てる神ありゃ拾う神あり、俺には心許したやつがいる。最高なやつだ。そん代わし魂を売る結果にもなってしまった。
でも後悔はしていない。理不尽だとは思うがな──────
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