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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい71
「やぁっあっ…んあっ、イくの止まらなぃっ」
ひとりでシていたときとは明らかに違う絶頂に、わなわなと躰が打ち震える。そんな弘泰を見下ろすベニーは、中に挿れたモノを動かさずに、弘泰自身を容赦なく扱きあげた。
「あ……っは…ぁ、ん…っも…だめっ!」
「気持ちいいのに、駄目なんですか?」
「だっ、ダメ…イキすぎてっ変に…なるっ」
弘泰は瞳からとめどなく涙を流し、声を枯らしながら必死に訴えた。自身を握りしめるベニーの手に、恐るおそる両手を添える。すると呆気なく放したので、表現しがたい絶頂から解放されることに安心して、ほっとしたその瞬間だった。
「ひいぃっ!」
躊躇なく大きいのをぐぐっと最奥にねじ込まれた衝撃で、派手に腰が跳ねた。ベニーはその反動を利用して、弘泰の左右の太ももを掴み、ゆらゆらと前後に揺らす。
「やっ! そんなにっ、ゴシゴシしなぃれ」
「感じているのでしょう? 君の中が私のモノに、ねっとり絡んできますよ」
「らめっ…あぁん、そこっ当てないでっ」
ベッドが軋む音と下半身からもたらされる水音が、弘泰の羞恥心を煽った。どうしていいかわからず、シーツを握りしめながら首を横に振る。
「毎回当てません。わざとズラしています」
「れもっ、当たっ…て。ひゃぁっ!」
「伯爵に与えられた快楽や、お兄さんから強引にされて感じさせられた行為も、すべて私が忘れさせてあげます」
「ベニーっ…はげしっ、僕…もたな――」
息をするのがやっとの中で、自分の現状を告げると、目の前にある茶褐色の瞳がなぜだか赤く光る。見たことのないそれに、目が離せなくなった。ホラー映画に出てきそうなまなざしなのに、見つめられる視線からは恐怖心が沸かない。
「こんな綽然な動きが、激しいと思うとは。さて、どこまでピッチをあげたらいいのでしょうね」
弘泰をさらに感じさせる言葉を発しているのに、不思議と違うものを要求されているような気がした。
「ベニー……」
「イキ狂ってください、弘泰。私なしではいられない躰にして差し上げましょう」
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