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第8話
白を基調とした10帖ほどの広いリビングは小綺麗に整頓されていた。
「朔也・・・?」
課長が部屋の明かりを付けてくれた。二人の手を解き僕の足は自然とテラスに向かった。
「月が綺麗・・・」
「あぁ、そうだな」
空を見上げると、真ん丸い月が煌々と辺りを幻想的に照らし出していた。
ピンと張り詰めた冷たい風に頬を撫でられ思わず胴震いすると、課長と晋哉がそっと抱き締めてくれた。
「朔也の方が綺麗だよ」
「お前は俺たちに舞い降りた天女だ。月に帰しはしないーーずっと、ずっと一緒だ」
二人を見上げると、交互に口付けが下りてきた。
「公亮さんも、晋哉もーー好き・・・大好き・・・」
改めて二人への思いを口にすると、キツく掻き寄せるように抱き締められた。
「今更だけど後悔しない?」
キスされるくらい至近距離で顔を寄せられ、心拍数が一気に跳ね上がった。
こんなに睫毛長かったっけ・・・
鼻も高くて・・・目尻に小さなホクロあったんだ・・・
見馴れているはずの幼馴染みの顏なのに、初めて気付く事ばかりでーー
「朔也、晋哉ばかり見ないで俺も見て欲しいな」
テラスにラグマットを敷き、その上に横になると、服を脱ぎ捨てた二人が覆いかぶさってきた。
痩せている僕とは対照的な彼らの体躯。隆々とした均等のとれた筋肉。胸板も厚く、無駄な贅肉一つない腹筋は縦に綺麗に割れていた。
公亮さんの男らしい精悍な顔を見上げると、うっとりと目を細め微笑み掛けてくれて、その細い指でシャツのボタンを一つずつゆっくりと外していった。
「ちょっと待って‼」
露になった真っ平らな胸に顔を寄せ、片方ずつ小さな突起を口に含む二人。
会社で散々悪戯されすっかり尖って敏感になっている突起を唇で挟み、ねっとりと熱い舌使いで舐め回し始めた。
「やぁ・・・ダメ・・・」
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