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第922話*

「まあ、お前のことだから縛ったところで出さずにイっちゃいそうだけどね。とはいえ、そんなに縛るのが嫌ならこのまま放置でもいいよ? どうする?」 「ど、どうって……」 「私が『今度は一緒に』って言った時も、先に出さずに我慢できる? 意識が朦朧としてる中でも、私と同じタイミングで出す自信ある?」 「う……」  ものすごく意地悪な問いかけをされ、アクセルは何も言えずに俯いた。  ――そんな自信、あるわけないだろ……。  ただでさえ兄に触れられると弱いのだ。今でも胸だけでイきそうになっていたのに、本格的に中を攻められたら耐えられる気がしない。強制的に堰き止められていなかったら、際限なく出してしまいそうだ。  でも、だからといって積極的に縛られたいわけではなく、できることなら自然のまま抱き合いたいのが本音である。 「どうする? 縛る? 縛らない? お前が決めていいよ」 「っ……」 「ただし、『縛らない』って選択しておいて私がイくまで我慢できなかったら、ちょっとお仕置きしちゃうからね」 「な……!?」  ニヤリと微笑まれ、ますますぞっとした。  この兄は多分、やると言ったら本気でお仕置きしてくるだろう。どんなことをされるか想像がつかないが、おそらく縛られるだけでは済まないはずだ。  どうしよう……どうしよう……。  混乱した頭でさんざん躊躇った挙句、とうとうアクセルは消え入りそうな声で言った。 「し……縛って、ください……」 「うん、わかったよ。お前の希望通りにしてあげる」  嬉しそうに微笑んだかと思うと、兄が嬉々として紐を根本に結び付けてきた。硬く充血していた部分をキツく締め付けられ、生理的な疼痛に涙が出る。  ――うう……やっぱり苦し……!  苦痛から少しでも逃れたくて、無意識に腰を揺らしてしまう。ここまで強く縛られていると自力では解けないから、また兄が「よし」と言うまで我慢させられることになるのだ。  正直、これ自体が結構なお仕置きになっている気もする……。

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