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第1154話*

「っ……!」  兄が珍しく自分から切り上げを提案してきたので、ちょっと意外に思った。アクセルの目には体力が有り余っているように見えるが、実はそうでもないのかもしれない。  いや、今までがタフすぎただけかな……。 「んあっ!」  兄が強く腰を掴み、より奥まったところを抉ってくる。本当にこれでラストにするつもりらしい。 「はあ、あっ……あぁん、あ」 「ああ、ほんとに可愛い……。可愛すぎて際限なくやりたくなっちゃう……。体力がもたないのが残念でたまらないよ」 「んんッ……! あ、あ、はあぁ……っ」 「本調子になったら、もっといっぱい可愛がってあげるからね」 「ひゃうッ! あ、あ、そこ……だめぇ……!」  直腸の曲がり角を突かれて、とうとう膝までがくんと崩れ落ちた。  ぐったりとベッドに沈み込んでいるアクセルを、兄は上から激しく揺さぶってくる。既にシーツは飲み込み切れなかった唾液でぐっしょり濡れており、下腹部も溢れた体液でびしょびしょになっていた。  ――ああ、もう……何も考えられない……。  気持ちよすぎる。身体の隅々まで快感に染め上げられて、まともな思考ができない。明日の生活に響いたら困るとか、手合わせ前にもっと鍛錬しておきたいとか、そういうことすらどうでもよくなってしまう。  今はただ、快楽の波に溺れていたい。本物の兄から与えられる愛情を、思う存分堪能したい……。 「ああ、あ……ふ、あぁ……っ」 「ほら、こっち向いて……最後は一緒にイこうね」 「んんッ……!」  再び唇を吸われ、酸素を供給できなくなり余計に頭がふわあっとしてくる。  ねっとり絡んでくる舌にアクセルも積極的に応え、自分から舌を差し出したり唾液を吸い取ったりした。  身体の中もきゅんきゅん縮こまり、限界まで膨れ上がった兄の欲望を強く締め上げてしまう。 「あ、出る……!」 「ん、ん、んぅッ――!」  どぷ、と最奥で熱いものが弾けたのと同時に、全身がびくんと跳ね上がった。  視界が真っ白に染まり、脳まで快感に痺れ、しばらく思考が停止してしまう。

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