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第1話 悪魔?天使?
「くちゅっ、にゅちゅっ」
淫靡な音が頭の中にこだまする。夢のなかにいる俺。
「じゅるっ、ぴちゅっじゅじゅっ。じゅぷっ、じゅるるる」
(夢にしてはリアルなだな)
下半身のありえない感覚に俺は目を覚まそうになる。俺の項(うなじ)がじっとりと濡れているようだ。
再び眠りに落ちてしまう俺。ただ頭の中には淫靡な音が響いている。
尾底骨から頭頂へと駆け抜ける快感に、何が起こっているかわからない。
「じゅぽっ、じゅぽっ」
恐る恐る薄目を開けて様子をうかがうと、誰かが俺の膨張したペニスを貪っているようだ。
(一体、何がおこってんだ?)
甘い蜜を吸う蝶のように恍惚とした表情を浮かべながら、激しく攻め立てる。どこで覚えたのか俺の陰嚢(ふぐり)を口に含みはじめた。
「うむっ、ふむっ。ちゅぴっ、ふちゅっ」
俺のとは違う誰かの汗の香りが、部屋の中に漂っている。
こみあげてくる快楽の波に抗(あらが)いながら、俺はそいつの正体を確かめたくて眠ったふりを続ける。
「ちゅぱっ、ちゅぷっ。じゅぱっ、じゅぽっ、じゅるっ。じゅるるるるっ、ちゅぱっ。」
激しい快楽の波が続く。いっその事、俺はもう果てたい。
もう、眠ったふりも限界だ。
意を決して目を開けると、うっかり視線があってしまった。
同室のかわいいあの子だった……あの噂は本当だったんだ。
「ちょ、ちょっとやめれっちゃ」
それでも、あの子の下半身への攻撃はとまらない。
どうして、こんなかわいい子があんなことを。
いつもニコニコしていて側にいるだけでほっとする、そんな子なのに……。
「どうして、こんなコトするん?」
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