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青空とうわの空ー3
「…だ、だって…」
「だって…?」
「…け、結婚、できないじゃないか」
「……だから?」
「だから…って…」
「結婚できる国だってあるじゃないか。それに結婚といっても、婚姻届け一枚の契約だろ。オマケに結婚せずに事実婚している男女だっているだろ」
………う………。
「俺が隼人を好きなのは誰にも止められないよ。昔から好きだったんだからね。俺が女性になって隼人が俺を好きになってくれるのなら、女性になってもいいと思える程には隼人を好きなんだ」
…そんな瞳で僕を見るな~!!
思わず、クラッとしちゃうじゃないか~。
…いやいや、治夫にクラッとしてどうする。
しっかりするんだ、僕!!
「…あ…そういえば、時間があれば僕のところに来ているみたいだけど、勉強、大丈夫か?」
慌てて話題を変えた。
「何、心配してくれているのか?」
「いや…心配っていうか…」
「隼人~、先生が呼んでたぞ」
丁度、クラスメイトが僕を呼ぶ声が聞こえて、ホッとする。
今は昼休み。
僕のクラスにて。
食事が終わり、治夫に口説かれ…ゲフンゲフン、治夫と無駄話をしていたところ。
「何、したんだ?」
僕を呼ぶ声に、まるで初めからこの教室のクラスメートみたいな顔をして、僕の前の椅子に座っていた治夫はそう聞いてくるが、覚えのない僕は首を傾げる。
「…何だろ?わかんないけど、ちょっと行ってくる」
席を立ち、教室を出た僕の前に寧音が立ち塞がった。
「隼人と話がしたくて呼び出してもらったの…来て」
「…じゃあ、先生が呼んでるっていうのは…」
「…嘘よ」
戸惑って聞いた僕に、寧音は振り向きもせずそう言って、廊下を歩き始める。
僕は慌てて寧音の後を付いて歩いた。
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