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恋と嘘と現実とー7

だが、道路を横切ろうとした僕の耳に派手なクラクションとブレーキ音が聞こえた。 迫る車と、驚いた顔をしてハンドルを握る運転手。 避ける事もできず、その場に固まって動けずにいる僕。 撥ねられる!! そう思った時。 「危ないっ!!」 声がして、僕は誰かに突き飛ばされた。 その直後。 ドンッという、何かがぶつかった音。 悲鳴、怒号が聞こえた。 …何が起こったのかわからない。 僕は道路に無傷で投げ出されていて。 少し離れた場所で、車が停まっていて。 治夫が倒れていた。 そして…。 血が…。 赤い血が…。 倒れている治夫に駆け寄ろうとするが、足や身体全体が震えて動けない。 治夫の名前を叫ぼうと口を開くが、声が出ない。 僕は道路に倒れたまま、動く事もできず、皆が治夫に駆け寄っていくのをただ、見詰めていた。 少しして救急車が到着し、治夫が連れていかれる。 担架に乗せられた治夫はピクリとも動かない。 そして僕は……………。 ……………………………………………………。 …………………………。 ……………。

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