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いつか、君の声がー3
-緊張が緩んだ途端、身体から…足から力が抜けて屋上のアスファルトにペタンと腰をつけてしまう。
松山はクスリと笑うと、僕に近付く。
「…何、ボクが何か言うと思った?」
-図星を突かれてギクリとする。
「ひどいな~、いくらボクでもそこまで嫌がる相手に無理矢理…なんて事はしないよ~」
(…嘘つき野郎、どの口が言うか)
「大体、ボク、そこまで相手に困ってないし…ていうか、ボク、ハッキリ言ってモテるしね」
(…知ってるよ)
…皆、騙されているんだよ。
本性を知ったら、絶対、皆、逃げていくから。
「………でもさ」
ふと。
いきなり松山の声が。
今までの軽い調子から、重い、真剣な声に変わり。
訳もなく、ドキリとする。
「ほんの少しでも考えた事ない?…ボクが本当は隼人を………」
そこでいきなり黙ってしまった松山に僕は戸惑う。
………いや、もしかして何か言ったのかもしれないけど…松山の声が小さすぎて聞こえなかっただけかもしれない………。
「…ごめん、何?聞こえなかったからもう一回、言って」
僕はアスファルトにしゃがみ込んだまま、顔だけを上げて松山を見上げた。
その時、太陽が眩しくて松山がどんな顔をしていたのかは見えなかったし、気にしなかった。
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