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3 ※
身体中を駆け巡る熱。
どこを触られても感じる身体。
(ゃ、ば……っ)
擦れるシーツにまで震えるくらい敏感に高められてて、動けない。
「こんなにピクピク震えて…ハルちゃん気持ちい?
僕の手でも撫で回していいかな」
「ぃ…や……ゃめ、ひ!」
スルリと脇の辺りを撫でられ、びっくりするくらい大きく震えた。
気持ちが、よすぎる。
普段からあんなに気持ちい手なんだから、今触れられたらやばいとこくらい分かる。
でも…快感が予想以上というか……
「ぁあ…ん……ゃだ…っ」
両手でゆっくり撫でられる感覚に、ゾクゾクがもっと止まらない。
声も止まらなくて、恥ずかしいのがいっぱい漏れて。
「ほんと、全部が可愛い…
というかハルちゃんの身体しっとりしてるね。
これって僕の唾液のせい? 全身にキスして付いた僕ので湿ってるの?」
「し、らな……ぁっ」
「僕の液を全身に纏ってるなんて、さいっこう……
ねぇハルちゃん、どう?
僕にキスされて撫でられて、気持ちい?」
「っ、」
気持ちい、けど最悪だ。
(どこもここも、ベタベタじゃん……)
意味わかんない。こんなの初めて。
セックスってこうやってするものだっけ。絶対違うだろ。
もっと、紳士的に進めていくものなんじゃーー
「ははっ」
紳士って、そんなのこの人にできるわけがない。
そうだ。始める前に僕は言った、「暴走してもいいよ」って。
「いやいや」と断ってたけど、結局大好物を前に理性が勝つ人じゃないんだろう。というか理性があるのかも謎。いや無いなきっと。
(これまで付き合った人も…いない……よね)
愛することへ慎重になってたこの人は、想いを通じ合わせながらのセックスをしたことがないはず。
愛のない行為なら経験あるかもだけど、こういうのは多分初めて。
初めてだから、こんなに意味のわからないことから始まってるの?
(それは)
それは、酷くーー
「ね、先生も…脱いで……?」
いきなり笑いはじめ「?」となってた首に、両手を回す。
全然力が入らない。でも、なんとか先生に抱きつくよう 身体を寄せて。
(〝可愛い〟なんて、馬鹿じゃないか)
僕も大概おかしくなった。
こんなに好き勝手求められて嬉しいなんて、身体中隅から隅までベトベトにされて気持ちいなんて
全身全霊で『好き』を伝えてくるあなたが、可愛いだなんて。
「……あ、そうか。脱ぐの忘れてた」
「あははっ、馬鹿じゃないの。僕ばっか見すぎ」
「だってしょうがないよ。こんなに愛くるしいハルちゃん目に焼き付けないわけながない、瞬きすら勿体ない。
…って、ハルちゃんに抱きつかれたからこの服も洗えないじゃん!なんとかして持って帰らなきゃ……」
「洗ってくださいよ汚い。というかこのベトベト全部自分のでしょ」
「いや、これはハルちゃんに付いた瞬間からハルちゃんの体液が混じってるんだよ。興奮してる身体から吹き出る汗と僕のが一緒になって、僕らだけのものができてる……
もうシーツごとハルちゃんも持って帰りたi」
「それは駄目」
「はい」
駄目なところはちゃんと拒否。
境界線は作っとかないと、本気で監禁されて終わる。
先生もその辺は分かってる(我慢してる)っぽい。月森先輩のおかげかな。
まぁ、何はともあれ……
「僕だけ脱いでるのは嫌なんで、早くしてください」
「分かったよ。じゃあちょっと休憩しててね」
僕をそっとベッドに戻した先生が、立ち上がってどんどん服を脱いでいく。
そういえば、裸を見るの初めてかも。
旅行中は先生も海に入ってたから、上半身裸の姿は見たことがある。
でも、全身は一度も……
って、
「え………?」
再び覆い被さってきた先生の股間でいきり立つ、モノ。
僕のよりずっと長くて大きくて、今にも先生の腹についてしまいそうなほど勃ちあがってる。
その先端からは既にトロリとした先走りが溢れており、トロトロ自身を濡らしていて……
「言ったでしょ?
僕は気持ちよさそうなハルちゃんを見てるだけで気持ちくなれるんだよ」
「そん…な」
僕ばっか触ってて全然自身に触れてないのに、もうこんなになってるの? 意味がわからない。
普通ちょっと触ったりしないと勃ちあがらないんじゃ……
「ひ、ぁっ」
胸の辺りを撫でられ、ピクンと震える。
それにふふふと笑った先生が、また両手を僕の身体へ添えてきて
「さぁ、続きをしよっか」
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