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第58話

「……」 由里はよくわからなくて…しばしボウ然としてしまうのだった。 しかしこれが… BOUSという、半強制少年売春組織の勧誘第一段階で… すでに目をつけられてしまっているとは、つゆとも思わない由里だった。 同時刻… 勧誘役の青年が路地へ入りもう一人の若者と合流する。 「コウヤさん」 待っていた若者はやって来た青年に声をかける。 「接触オッケーだよ、たぶんあのコで決まりだと思う…見た目もいいし、条件も他の二人よりいいからね」 由里に声をかけた青年は、優しく微笑みながら答える。 「そうっすね、義母らからの虐待の末、あの歳で自殺未遂…その後、尊敬する父親と同居をはじめるが転校先でいじめにあい、頼りの父親は仕事詰めで不在がちで家に独りきり、これだけ不安定な状況は他にないっすもんね、すぐにでもイケるんじゃないっすか?」 メモを見ながら話す若者。 「まぁ、決めるのは社長だけどね…」

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