12 / 13

第12話

そのうち、その可愛い笑顔を毎日見てるだけでは満足しきらなくなりました。 ってか、俺が見てるからか目が合う回数が日ごと増えます。 ドキドキします。 心友の矢沢くんに相談した結果、このはち切れんばかりの想いを伝えることにしました。 『よし、おにごっこしよう!』 『…は?』 矢沢くんは、時々突拍子も無い事を言います。 『佐伯、鬼ね。で、小沢を追っかけてつかまえて告白だ!』 なんでも、インパクトを与えた方がいいのではないか、という彼なりの考えでした。 いいねぇ、と誰かが賛同しました。 新しい告白だねぇ。熱いねぇ。ひゅーひゅーだねぇ。色々声があがります。 いつの間にか、仲良しグループ全員に俺の恋心がバレていました。 おい、心友!! 調子の良い矢沢くんが 天使こと小沢くんをうまく誘い、おにごっこが始まりました。 もちろん、鬼の俺が追いかけるのは唯1人! 『おーざーわぁ!!!』 顔を青くして、小沢くんは走ります。 鬼の俺は追いかけます。 どこまでも どこまでも追いかけます。 捕まえた腕が熱くて、俺を見る瞳は軽く恐怖に染まってたけどそこはスルーで。 よし!捕まえた! …いただきます!!

ともだちにシェアしよう!