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第12話
そのうち、その可愛い笑顔を毎日見てるだけでは満足しきらなくなりました。
ってか、俺が見てるからか目が合う回数が日ごと増えます。
ドキドキします。
心友の矢沢くんに相談した結果、このはち切れんばかりの想いを伝えることにしました。
『よし、おにごっこしよう!』
『…は?』
矢沢くんは、時々突拍子も無い事を言います。
『佐伯、鬼ね。で、小沢を追っかけてつかまえて告白だ!』
なんでも、インパクトを与えた方がいいのではないか、という彼なりの考えでした。
いいねぇ、と誰かが賛同しました。
新しい告白だねぇ。熱いねぇ。ひゅーひゅーだねぇ。色々声があがります。
いつの間にか、仲良しグループ全員に俺の恋心がバレていました。
おい、心友!!
調子の良い矢沢くんが 天使こと小沢くんをうまく誘い、おにごっこが始まりました。
もちろん、鬼の俺が追いかけるのは唯1人!
『おーざーわぁ!!!』
顔を青くして、小沢くんは走ります。
鬼の俺は追いかけます。
どこまでも どこまでも追いかけます。
捕まえた腕が熱くて、俺を見る瞳は軽く恐怖に染まってたけどそこはスルーで。
よし!捕まえた!
…いただきます!!
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