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ー友情ー10

 食事を終えて二人は食堂のカウンターに、お盆や食器を食堂のカウンターへと戻すと一旦自分達の部屋に戻ってから回診を始める。  そして全ての担当患者の所に行った後に最終的に訪れた病室は桜井さんの病室だ。  二人は桜井さんの病室まで来ると部屋へと入った直後だっただろうか、望も和也も桜井のある行動を目撃してしまい息を飲む。  そして次の瞬間には声を荒らげる望。 「ちょ! 君! 何してんだよっ!」  その望の声は病室内へと響き渡るのだ。 「はぁ……はぁ……ちょっとな……運動しておかないと体が鈍ってしまって、直ぐに仕事に復帰出来んやろ? せやから、運動を……」  そう息を切らし額からも汗を流しながら言う桜井。  望が声を荒らげた理由は言うまでもないだろう。 まだ数日前に怪我をして来て手術したばかりなのにも関わらず、立ち上がりベッドの柵に掴まって歩いていたのだから。  本来ならまだ安静にしておかないと傷口が開いてしまうくらいの時期なのに、そんな状態で体を動かしている人がいたら怒るに決まっている。  そして医者として望はそんな桜井の姿を見てしまったのだから、つい声が大きくなってしまったのは当たり前の事だ。 いや寧ろ望がしている事は間違った事ではない。 そうだ雄介が怒られても仕方がない事をしていたのだから。  そんな望の行動に和也の方は仕方なさそうに息を吐く。 寧ろ怒られても仕方が無いというため息だろう。  和也だって望と同じような立場だ。  だから自分もこういう姿を見てしまったらきっと声を荒らげているに決まっているのだから。 それが望の方が一歩早かったという事だ。

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