13 / 1005

ー友情ー

桜井は今まで恥ずかしかったのか、まともに望の顔を見れてなかったのだが、意を決して、顔を上げ、望の顔を真剣な眼差しで見上げる。 「あの、そのな…ホンマ、嫌やったらええねんけど…。俺な…先生に会った時から先生の事が…好きになってしまってたんや…。一種の一目惚れやったのかもしれん…。ほんで、さっき先生が俺の事、怒ってくれたやろ?それで、余計にっていうのかなんていうんか…せやから、俺と付き合ってくれたらって…な…」 その言葉に望は少し考えた後、 「あ、え?その…俺は女じゃねぇんだけど…」 「好きになったら、男性も女性もないと思うんやけど…」 「あ、そうか!た、確かに君の言う通りだよね…。だけど、やっぱ、その俺にだって意見みたいなのはある。だから、その直ぐにはオッケーは出せないっていうのかな?だから、その…少し考える時間をくれないかな?」 望は突然、桜井からの告白に戸惑いながらもとりあえず、傷つけないように言葉を選んで返す。 「って、事は少しは…俺に気があったりするんかな?」 「いや、悪いのだけど、そこはまだ俺にはそういった感情は無いに等しい位だ。でも、桜井さんの俺へ対する本気度というのは伝わってきた。だから、俺だって、俺の事を好きに思う気持ちの人は男だろうと女だろうと差別はしたくはない。でも、人なのだからこう色々な性格や人種の人はいる。だから、相手の事を好きになる権利は誰にでもあると思うんだ…そう、後は俺が桜井さんへ気持ちが向けばいいって話なんじゃねぇのかな?」 「あ、まぁ…確かに先生の言う通りやな…。とりあえず、スマンかった…」 その言葉と同時に桜井は望に向かって頭を下げる。 「もう、俺の方は先生に告白出来て、スッキリしたんでええですよ…後は俺の問題ですからね…」 そう言うと桜井は布団の中へと潜り込む。 確かに今望に告白をした。だけど、答えはまだ曖昧だ。 ダメでもない。いいとも言わなかった。 そんなまだ複雑な気持ちのままなのだから、しょげる事も喜ぶ事も出来ない。だから、布団へと潜るという行動をしたのかもしれない。 「はい、では…失礼しますね…」 そう言って望は桜井の病室を静かに出て行く。 でも、まさか、自分が男に告白されるなんて思っても見なかった事だ。だけど、あんなに真剣に言われたら…例え、告白してきたのが男性でも直ぐに断る事なんて出来なかった。 それに、男性が男性に告白するなんて事は男性が女性に告白する以上に勇気がいる事だろう。 そう思うと、望の中では直ぐに断るなんて事は出来なかった。 そして、病室を出た直後に望の視線に入って来たのは和也だった。 「…って、お前、部屋に戻ってたんじゃねぇのか?」
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!