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ー友情ー

望は窓側で外を見ていた和也と「やっぱりか…」なんて会話をしていると、望は急に椅子から立ち上がって、和也の事を退けてまでして窓からその患者さんの事を確認している。 よく見ると、望の目は間違ってないようだ。 今の救急車で運ばれて来た人物は望が想っていた人のようで、望は後先考えずに診察室を後にする。 「おいっ!ちょっと!!望!まだ、午前中の診察終わって…あ、行っちゃったよ…。え?でも、何があったっていうんだ?」 とりあえず、行ってしまった望にため息は出るものの、和也は何で望は出て行ってしまったのかを確認する為に窓の外を覗く。 「なるほどな…望が外に行ったのはそういう事だったのか…。あの、桜井雄介がまた運ばれて来たって訳ね…。あれ以来、何もなかったのに、今回はどうしたんだか…」 和也はそうため息を吐きながら今は診察室を出て行ってしまった望の椅子へと腕を組んで座る。 一方、望の方は診察室を出て緊急患者入口の方へと向かっていた。 今の望は手術の終わりを待つ家族のようにも思えてくる心境なのかもしれない。 「あの、角を曲がればっ!」 とそう言った瞬間に望の目の前を雄介を乗せたストレッチャーが通り過ぎて行く。 それを見かけた望はそのストレッチャーを追いかける。 「おい!雄介!雄介!」 と、知らないウチに望は雄介の名前を勝手に呼んでいた。 その望の声に雄介は気付いたのか、血が未だに付いている手を震わせながら伸ばし、 「あ…ぅ…スマンな…また、ここに…っ…来てもうて…」 雄介は痛みで顔を歪ませながら、望に向かって謝っていた。 「雄介っ!今度は何が…っ!」 そう雄介に何があったかを聞きたかったのだが、雄介はそのまま処置室の方へと入って行ってしまう。 望は今まで全力疾走して来たからなのか息を切らしながら雄介が処置室の方に入って行く姿を今は見守る事しか出来なかった。 そう今の望は緊急の方ではなく外来の方だからだ。 望は仕方なく外来診察室の方へと足を向ける。 そして、和也は戻って来た望に、 「…で、桜井さんの様子はどうだったんだ?」 和也の方もあまりにも望が最近、桜井さんの事を言うのだから一応は心配していたのであろう。 「今はまだ処置室の方に入ったばっかりだ…」 望は未だに呼吸を乱しながらいつもの診察椅子の方に座るのだった。

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