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ー記憶ー46

  そう望は一人ブツブツと独り言を言いながら階下へと向かうのだ。  いつもキッチンの棚の上に置いてある薬箱を取ると中から風邪薬だけを持ち、再び雄介がいる二階へと戻って行く。  そして雄介から体温計を受け取ると、 「えっと……」  雄介から体温計を貰い体温を見ると眉を一つ上げ、 「三十八.五度ね……。 よくこんなにも熱があるのに動き回る事が出来たもんだな!」 「せやから、俺は体力の方には自信があんねんって……」 「今はそんな事は聞いてません!」  そう嫌味のように言う望。  そして今日の望というのは雄介に怒りっぱなしだ。 だがそれは雄介を心配しての叱り方なのであろう。  望は大きなため息を吐くと雄介の手首を測る。 「何してんね……」 「黙れっ!」 「あ、ああ……スマン……」  雄介は望のその気迫に負けてしまいついつい謝ってしまっていた。 「まったく……脈も早いじゃねぇか……次は口開けろ」 「キスしてくれるんか?」 「今はそれどころじゃねぇんだよっ! まったく! もう! そういう事はいいから今は俺の言う事を聞くっ!」  今日の望はいつもの望より怖い。 と雄介の方は思っているのかもしれない。 もう望には何も言わない方がいいと思ったのか望の言う事を聞いて口を開ける雄介。 「ほら、喉までも赤くしてんじゃねぇか。 まぁ、とりあえず、ただの風邪で良かったわぁ。 それに、体が不調を訴えるって事は体が休みたいって言っているんだからな。 とりあえず、お前は自分の体をいじめ過ぎだ」 「せやけどな……」

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